----------  傑作映画館  ----------

  マタンゴ
   監 督 :本多猪四郎
   出 演 :久保明、水野久美、佐原健二、
   ジャンル:ホラー(モンスター)
   1963年  日本



 日本のカルトムービーに数えられているそうで、子どもの頃映画館で見た時はものすごく怖かった!
 これはハッピーエンドじゃないです。


注)以下、ネタバレだらけです!

【あらすじと感想】 
 物語はある病院の一室から始まります。
 窓から外を眺めている青年の思い出話が語られます。

 羽振りのいい若者達の乗ったヨットが遭難し、ある無人島に漂着します。
 その島で一年以上前に捨てられたと思われる難破船を見つけるのですが、カビが異常にはびこっているその船は不思議なことに鏡が全て外され無くなっていました。
 元々我儘な若者達でしたが、食料が少なく益々バラバラになっていきます。
 難破船の航海日誌で危険である事はか分かっているのに、森に生えているキノコを口にしてしまった男は船に戻ってきませんでした。
 実は、人はキノコを食べると体からキノコが生え始め、やがてはキノコ人間=マタンゴ になってしまうのでした。
 青年は空腹に耐え最後までキノコを食べず、漂着したヨットで漂流している所を救助されたのです。

 しかし青年は救助されても「精神病院(青年が立っていた病室は精神病院の病室だった)に入れられるぐらいだったら恋人を残してきたあの島で自分もキノコを食べて残れば良かった!」と後悔しているのでした。
 そしてこちらを振り返った彼の顔にはキノコが生え始めていたのです!




想定外のショック!


 とにかく怖かったので覚えているのです。
 子供心に、最後まで頑張った人は助かったんだ〜、と思って安心していたのに、振り返ったその顔はショック!
 島でも恐怖がつのっていたところへ、その振幅が大きかったのでしょう。

 それにしてもどうしてこの映画を見てしまったのか、考えてみたんですがあの頃って映画は2本立てでしたよね! それでもう一本の方が目当てで見に行ったのかも知れません。
 この頃は学校から、見て良い映画を「指定」されていたはずですが、これを見たおかげでしばらくトラウマが残ったかも。

 この頃の「特撮映画」にはありがちな原爆等への批判メッセージもそんなに感じられなかったけれど、頑張っても報われない人生の虚しさを感じましたね〜。
 「ジャングルの撮影は八丈島でやったが、スモークを焚いたら上から一斉に虫が落ちてきて大変だった」と水野さんがおっしゃっているのを見たような…。

 
   この映画に出演していた方が元気にテレビに出ている … こちらの方がよっぽど怪物かも。



  2018.11.    ................ 傑作映画館の目次ページへ